飲食店の破産について
破産手続きで重要なこと
破産手続きにおいて重要なのは「迅速な決断」です。
経営が悪化し、債務の返済が難しいと判断した段階で、できるだけ早期に専門家と相談することが大切です。
経営状況が深刻になる前に対応することで、残された資産や従業員の権利を守ることが可能になるためです。
また、破産手続きには時間がかかるため、早めに取り掛かることがトラブルの防止に繋がります。
飲食店における破産手続きの特徴
破産手続きには「資産の管理」が求められます。
特に、飲食店を経営されている場合、生物の食材を扱うことから、会社の資産である食材・食品については、棚卸から処分を迅速にやる必要があります。
飲食店の破産手続きで気を付けたいポイント
「従業員の権利保護」にも配慮が必要です。
飲食店の場合、従業員が多くいる場合も多いため、雇用契約の解約や給与未払いに関する処理が発生します。
労働基準法に基づき、従業員の未払い給与や退職金の支払いを優先的に考慮することが求められます。
未払い給与の請求は、破産手続き内でも「財団債権」として優先的に取り扱われるため、従業員の権利保護が重要なポイントです。
店舗の譲渡について
店舗について、他の法人等に譲渡することも多いと思います。
継続的に店舗を引き継いでくれる法人等がある場合、破産手続きの申立てとほぼ同時に店舗内にある動産を売買で譲渡するという方法があります。
この場合はいわゆる「居抜き」で店の中身を引き継ぐことになりますが、食器やテーブル・椅子等の資産について、見積りを複数の業者からとって、適正な価格で譲渡することが大事になってきます。
飲食店の破産について弁護士にご相談ください
さらに、経営者個人が保証人になっている場合、「個人の責任」についても考慮が必要です。
法人破産が決定しても、経営者個人が保証している債務については別途対応が必要となります。
この場合、個人の破産手続きや債務整理を検討する必要が生じる場合があるため、弁護士と早期に相談し、リスク軽減の対策を講じることが望ましいです